ドキュメンタリー写真家がみたイスラエルとパレスチナ〜第三者の視点から見る共存への道〜
【7月26日まで】愛媛大学法文学部多様性研究会主催・愛媛大学ミュージアム展覧会
5月19日より愛媛大学ミュージアムにて、展覧会「ドキュメンタリー写真家がみたイスラエルとパレスチナ〜第三者の視点から見る共存への道〜」が始まりました。主催は愛媛大学法文学部多様性研究会。今展覧会の趣旨について展示のプロローグより抜粋してご紹介します。
是非多くの方々に展示を通してイスラエルとパレスチナ双方の現地の実情について知り、「人間の共存」という普遍的な問いについて深く考える機会として頂きたいと思っています。
プロローグ
イスラエルとパレスチナ。2023年10月7日に発生した、イスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃。それに対するイスラエル軍のガザ空爆や軍事侵攻。その破壊と対立、人道危機は今も続いています。
こうしたガザ地区の惨状は、SNSやニュースなどで伝えられますが、イスラエル・パレスチナの人々の暮らしや空気感まで実感することは難しい。それが実情ではないでしょうか。
ドキュメンタリー写真家の森佑一氏は、2023年12月後半から2024年2月前半までの約一ヶ月半、イスラエル・パレスチナで現地取材を行いました。さらに2025年1月~2月にも現地を再訪し、そのカメラを通じて社会の実情を多面的に捉えています。
今回の展示は、森氏の視点を通して、イスラエル・パレスチナの多様な実情を感じていただくと共に、皆様が「第三者」である日本人の視点から、「人間の共存への道」を考える、一つの契機としていただきたい。そのような思いから企画致しました。
愛媛大学法文学部多様性研究会・愛媛大学ミュージアム
愛媛大学ミュージアム・企画展示室



そうはいってもなかなか会場に足を運べない方も多いと思うので、簡単ではありますが展示内容についてご紹介します。
展示は主に企画展示室と多目的ルームの二つに分かれています。
まず展示前半の企画展示室ですが、イスラエルやパレスチナに行ったことがなく馴染みのない方でも現地の様相を少しでも感じられるような空間を目指しました。
空間の左右にイスラエルとパレスチナ(ヨルダン川西岸地区)の日常や戦争に関する写真を混在させて展示。またテーブルを設置し、その上に以前の展示で使用したL版写真プリントを計100枚以上並べています。現地の様々な側面を切り取った写真です。裏面にはキャプションを記載しておりますので手に取ってご覧ください。
そして空間の中央を複数のパネルで間仕切りしています。そこに分離壁や検問所の写真を大きく引き延ばしてプリントし、イスラエルとパレスチナが大きな壁で隔たれている、分断されている状況を体感できる様にしてみました。
企画展示室の入口では上記の映像を空間演出として流しています。イスラエルとパレスチナ双方の写真が同時に現れた後、左右にスライドしていくエフェクトがかけられており、ここでも境界や分断が表現されています。
こちらの動画は、愛媛大学ミュージアムの方が自身の写真データを元に制作してくださいました。
愛媛大学ミュージアム・多目的ルーム



展示後半の多目的ルームは、来場者に「共存」について考えてもらう空間となっています。
多目的ルームに入って左手の壁面には、ユダヤ人作家エフライム・シドン氏の児童書「ウズーとムズー/カカルズ村の物語」という分断にまつわる寓話を日本語に要約して大きく掲示しています。
壁面の長辺には、イスラエルとパレスチナで撮影した写真を対比させる形で3組(計6枚)展示。対比させた写真の間に自分自身が現地取材を通して思ったこと、答えの出ない問いなどについてテキストで掲示しています。
その向かいの壁面には、以前イスラエルで暮らしていたダンサーの今在家祐子さんがネゲブ砂漠にある戦争記念碑の上で舞う映像作品「アンダルタ」を空間演出として上映しています。監修は写真映像作家のシモン・ボクシュタインさんです。
映像自体が抽象的でBGMもゆったりしていて思考を深めるのに良さそうであるのと、イスラエルとパレスチナ双方に関わりのある日本人(第三者)が彼の地で舞っているというのが今回の展示コンセプトに合うと思い上映させて頂くことにしました。
そして部屋の中央にテーブルを設置。そこに「共存」に関する以下の問いを掲げ、来場者が考えたことを紙に綴って出口手前の壁面に掲示してもらうようにしています。最終的に来場者の方々が共存について書いた紙も作品の一部となる予定です。
思想。宗教。文化。国境。
この世界には、数えきれない境界線があります。
「分断と共存」
この二つは、矛盾するものでしょうか?
それとも、両立できるものでしょうか?
あなたの言葉で考えてみてください。
あなたが書いた言葉は他の誰かへの問いにもなります。
是非ご来場の上、この問いについて考えてもらいたいと思っています。先週展示を見に行きましたが、予想以上に既にたくさんの方々が各々の考えを書いて掲示してくださっていました。
会場の出口付近には、今回の展覧会を開催するにあたり取材の段階からご協力頂いた方々のお名前を掲示させて頂き、彼らの活動を紹介する広報物も置かせて頂いております。
是非ご自由にお持ち帰りください。来場者の皆さんと今後もなんらかの形で繋がっていけたらと思っております以下、協力者一覧です。





